TypeSafe の公式ドキュメントには、Jev の使い方を実例で示す Cookbook が 18 本あります(2026-09-21 時点)。このページは、それをやりたいこと別に並べ直した索引です。各レシピの説明は公式の一行要約をもとに、このサイトの言葉でまとめています。
このサイトは Cookbook を翻訳していません。コードと詳しい説明は、リンク先の公式ページ(英語)にあります。精度や速度の数値は公式が測ったもので、このサイトでは再現していません。
まず読む1本
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Parallel questions | GDPR の Wikipedia 記事に 13 の質問をする。全部を1回の呼び出しにまとめると、答えは変わらないまま、公式の計測で 12.2 倍安く、10.0 倍速かった、という例 |
Jev の使い方の基本である「同じ state への質問は1回にまとめる」が、数字で分かります。このサイトでも、1問と4問で応答時間がほとんど変わらないことを確かめています(設計パターン4種)。
検索と並べ替え
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Re-ranking | キーワード検索(BM25)で出した 30 件の候補を、質問と候補の組ごとに Jev で判定して並べ直す。法律文書の検索で、1位の正解率が 5% から 18% に、上位10件では 38% から 62% に上がったという例 |
| Line-by-line search | 利用規約の 218 行を、自然文の問いに対して1回のリクエストで判定する意味検索。Choice で該当行を選び、Noul で「そもそも答えが文書にあるか」を確かめる |
| Classifying RAG passages | 検索で取ってきた文章を1つずつ採点し、回答用のモデルに渡すかをコードで決める。質問と矛盾するものには印を付け、隠れた指示(プロンプトインジェクション)を含むものは落とす |
分類
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Classification using confidence | 年次報告書を 75 の業種に Choice で分類し、確信度が低いときは1つ上の大分類で答える |
| Hierarchical classification | 特許・商品・医学・ソースコードのような深い階層の分類を、Choice の確率を使った並列のビーム探索でたどる |
| Knowledge graph entity alignment | 2つの商品カタログの 450 組が同じ商品かを判定する。Score の3段階を「統合する/別物のままにする/人に回す」という3つの行動そのものにして、しきい値の調整を不要にする |
Choice の選択肢は1つの質問につき最大 255 個です。それより多い分類は、階層に分けてたどります(質問タイプの書き方)。
抽出
Jev は文章を生成できません。値の抽出は「候補をコードで出し、正しいものを Jev に選ばせる」形にします。
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Pre-parsed value extraction | メールアドレス・電話番号・金額の候補を正規表現で見つけ、求められているものを Jev に選ばせる。値は原文のままコードで整形できる |
| Date extraction | 日付を年・月・日の部品ごとに聞き、組み立てと妥当性の確認はコードで行う。相対的な日付と、確信度による確認待ちも扱う |
| SDE cascade | 構造化データの抽出を「小さなモデル → 検証 → 推論モデル」の2段のカスケードにして、大きな推論モデルの品質の大部分を、わずかな費用で得る |
| Structure recovery | 書式を失ったプレーンテキストから Markdown を復元する。1回目で折り返された行をつなぎ、2回目で各ブロックを見出し・リスト・コードなどに分類する |
日付の比較や計算を Jev にさせない理由は Jev が苦手なこと にあります。
LLM の入出力を検査する
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Guardrails for LLMs | LLM アプリに入るメッセージと出ていくメッセージを、1回のリクエストで検査する。「脱獄の試みか」のような危険を聞き、「従ったらどれだけ害があるか」を採点して、通す・確認する・止める・回す をコードで決める |
| Double-checking citations | 引用が出典の文書で本当に裏付けられているかを Choice で確かめ、確信度が低いものを人の確認に回す。誤った引用やでっち上げの引用を捕まえる |
公式は、Jev 自身も敵対的な入力で答えを動かされ得ると明記しています。検査役として使うなら、意地の悪い入力を自分で用意して配備前に試し、重要な判断を Jev の答え1つだけで自動実行しない設計にしてください。
エージェントとツール呼び出し
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Function calling | 自然文の依頼を、型のついた普通の関数の呼び出しに変える。関数名と、値の決まった引数を、確信度つきの質問に対応づける |
| Skill suggestion | 182 個のスキルから、エージェントの1ターンに使うものを最大1つ選ぶ。1回目で全スキルを順位づけして「そもそも要るか」も聞き、2回目で上位3つを詳しく読んで、全部を却下することもできる |
「Skill suggestion」は、Choice(どれか)と Noul(そもそも要るか)を併用する例として、公式の弱点のページからも参照されています。
確信度を使いこなす
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Self-consistency: nouls | 確率があいまいな判定を人の確認に回しつつ、元の Noul の値は見えるままにしておく |
| Self-consistency: choices | モデレーションの判定に「不確か」という結果を加え、判定の一致率と、自動で処理できる割合を比べる |
しきい値の決め方の基本は 確率と confidence の読み方 にまとめました。
機械学習と組み合わせる
| レシピ | 何を解くか |
|---|---|
| Autoresearch feature discovery | 質問を自動で提案させて自由文を数値の特徴量に変え、モデルの誤りを手がかりに、教師ありの回帰モデル(CatBoost)を改善していく |
Jev は顧客ごとのファインチューニングに対応していません。自分の領域に合わせる方法の1つとして、公式の Models ページがこのレシピを挙げています(料金と制限)。
日本語で試すときに
- Cookbook のデータと質問はすべて英語です。公式は、英語以外では精度が下がると明記しています
- まず英語の例をそのまま動かして結果を確かめ、それから自分の日本語のデータに置き換えて差を見る、という順番が安全です
- 選択肢のキーや
stateの項目名は英数字のままにしておくと、コードで扱いやすくなります
一覧の最新版は、公式の ドキュメント索引 にあります。
よくある質問
Cookbook の日本語訳はありますか?
このサイトでは公式ドキュメントの翻訳はしていません。このページは、各レシピが何を解くものかを一言でまとめ、公式ページへ案内する索引です。コードと詳しい説明は公式(英語)を読んでください。
どれから読むのがよいですか?
まず「Parallel questions」で、質問を1回にまとめる効果をつかむのがおすすめです。そのあとは自分の用途に近いものを選びます。問い合わせの振り分けなら「Classification using confidence」、RAG なら「Classifying RAG passages」、LLM アプリの安全対策なら「Guardrails for LLMs」です。
Cookbook の数値(精度や速度)はそのまま信用できますか?
公式が自分のデータで測った値です。このサイトでは再現していません。データも言語も違えば結果は変わります。公式は英語以外では精度が下がると明記しているので、日本語のデータでは自分で測ってください。
出典・参考リンク
- 一次情報 TypeSafe AI ドキュメント索引
- 一次情報 Jev 1.13 jaggedness
- 一次情報 Patterns